「 昨日10月2日に「家族支援」をテーマにするカウンセリングセミナーを行いました。講師は、家族療法の第一人者である亀口憲治先生です。まず、最近の日本の家族をめぐるお話から始まったセミナーですが、ご参加者の皆様は、先生のお話に徐々に引き込まれていきます。
今、日本は世界的にも自殺者の多い国ですが、日本の文化の変化に伴う家族の在り方の変化が関係しているのではないかという指摘と考察には、納得できるものを感じました。例えば、日本の夫婦は長い間、あまり話し合わないことでお互いの関係を維持してきた側面があり、それが平均寿命が長くなることで、夫の定年後の夫婦関係が持たなくなり、高齢者の「うつ」が増えているというようなお話です。
改めて、夫婦の在り方を工夫する必要を感じます。特に男性の考えを変えていくことが課題ではないでしょうか?
亀口先生は、それを夏目漱石の人生から考察し、「夏目漱石から読み解く家族心理学」読論という本を書かれました。漱石は、幕末の慶応3年に生まれ、家庭の事情から里子に出されたり、不登校を体験したりと、今から考えるとさまざまな困難を体験しながら明治という時代を生きました。この本は、そんな漱石と現代の家族心理学を結びつけるとても興味深くておもしろい本です。