先日、ある金融機関の管理職の方々へのセクハラ・パワハラをテーマとする研修を依頼されました。目標は、セクハラやパワハラの防止です。近年、パワハラを原因とする自殺が増えていることもあって、関心が高くなっています。現在、管理職として活躍している方々の中には、上司の叱咤激励を受けて出世してきた人も少なくありません。そのため、部下を叱るときに大声で怒鳴る、感情的に怒ってしまうという傾向があります。
しかし、それはパワハラと紙一重です。仕事で部下が不適切なことをしたら、それを指摘し「叱る」ことは必要です。問題は、どのように叱るかです。
今回の研修にご参加くださった方で、とても正直に自己開示してくださる方がいらっしゃいました。私が、お話した「パワハラの可能性が高い8つの事柄すべてに当てはまるので、なんとかしたいがどうすればよいか」というご質問をされました。
意識を変えるには、このような自分への「気づき」となんとかしようという「意志」の存在が、最初の条件です。この方は、その第一条件をこの研修の間に満たされたのですから、さすが管理職だなあと感動しました。そして、怒りたくなる具体的なできごとを出していただき、パワハラにならない「話し方」で、上司としてどのような仕事の仕方を望んでいるかを伝える新しいやり方をNLPのスキルで考えていただきました。
現代は、メンタルヘルスを意識した部下への対応が望まれています。管理職にとっては、さらに新しいスキルを身につけることになって大変ですが、これからの管理者としてのマネージメントには、必須のものなのだと思います。