人間関係改善のためのコミュニケーション

NLPトレーナー梅本和比己のブログ
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ミスを素直に認めない部下への対応

ある研修で、「能力もあるし仕事もよくできる部下に、仕事のミスを指摘すると急に防衛的になり絶対に自分のミスを認めない部下への接し方」についての質問がありました。部下にかぎらず上司にも絶対に自分のミスを認めずに、悪いのは自分以外の人間だと主張する方が確かにいます。

このような人は、話をしている途中で自分の方が悪いと気づいても、そこで素直に自分のミスだと認めない傾向があります。このような人は、自分のミスを認めることは、自分の弱みをみせることであり、負けを認めることになると信じているところがあります。

自分は、必要なことはちゃんと言ったし手を打っていたと言い張り、過剰に相手を責めることで自分のミスではないと主張します。少なくとも不適切な弁解をしがちです。このような部下をもつ上司には、仮にミスを認めたところでこのことで部下をダメだとは思わないし、なんでもないような些細な問題にもかかわらず、どうしてこんなに「反抗」するのだろうとと不思議にさえ思えるでしょう。また、このような上司を持つ部下達は、いつも不当な扱いを受けることになり、嫌な気持ちが残ります。

このような人々と接する時に一番大切なことは、相手が防衛的になる必要がないような状況を作りだすことです。例えば、「相手の顔を立てる」「相手の対応の肯定的な部分を尊重する」などです。

例えば、「この一週間は、私からの指示が多くて報告書をまとめる時間がとれなったのだと思うが、先日頼んでおいた報告書は、後どのくらいでできるだろう」というような接し方が、「相手の顔を立てる」実例です。

顔を立てながら話をしても、防衛的になることがあります。そんな時は、部下の言い分を否定したり非難しないことが一番のポイントです。むしろ、ほめたり、言っていることを肯定的に認めるような評価をします。「なるほど、あなたはきちんとやるべきことをやったのですね。あなたは、なんでもきちんとやろうとするところがあるのは、私もよく知っています。」というように返して下さい。

そして、「あなたの協力が必要です。この問題に関して私とあなたが今からできることは、何なのか考えてもらえないだろうか?」というように、これからやるべきことを相手自身の口から言ってもらうように仕向けるのです。

ほとんど場合、」防衛的になっている人に、こちらの正当性をいくら伝えても相手はさらに防衛的になるだけです。つまり、こちらが正しいことを言えば言うほど事態が悪くなるのです。

だから、思い切って相手の非を責めずに、お互いが問題を解決できるような具体的な方法を相手に考えさせ、相手の口から言わせるのです。さらに、相手が考え出した方法が、これからの問題を解決できるものであればそのアイデアをほめます。時には、相手に「ありがとう」と感謝するのです。

このように接していると、いつか相手も防衛的になることが少なくなってきます。なぜなら、このような対応は、「勝ち負けの関係」ではなく、「相手の顔を立て、相手を尊重することで自分自身を大切にする自他尊重の関係」だからです。

もし、あなたが相手を責めることより、問題解決を重要だと考えるのであれば、ぜひ試してみて下さい。
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自分と相手を共に尊重すること

研修の中でいただく質問は、個人的な問題なのにその研修に参加している多くの方々に役に立つということがよく起こります。今回のご質問もそんな一つでした。どのような職場でも上司と部下の関係があまりうまくいかないことがあります。

うまく行かない時は、たいていお互いが相手の力を実際より低く評価しているものです。上司は、「アイツは、何回いってもきちんとやらない」と言い、部下は「どうせ言っても上司は分かってくれない」と言います。本当にその通りのこともあるでしょうが、単に「そう思っている。」もっと言えば「そう決めつけている」ことも少なくないと思います。

交流分析(TA)では、相手の能力を実際より低く評価することを「値引き」といいますが、値引きをしている人間関係は、とても非生産的で不快なものです。これをやめて、部下の本来の能力に向けて上司が指導・指示・命令をする、部下は上司の本来の力に対して報告、相談をすることができれば、関係は大きく変わってきます。

では、どうすればいいのでしょうか?質問にもどって考えましょう。ご質問は、「何度注意しても態度を改めない」部下への対応です。

何回も注意するのは、部下には改める能力がないという「値引き」があります。つまり、部下をノットオーケーと見ています。相手の能力を引き出すなら、行動を改める問題に部下自身に直面してもらわなければなりません。そこで、次のように伝えます。

「今まで、何回も注意してきました。注意は、これで終わりにしたいと思います。なぜなら、あなたには、この問題を解決する能力があると思うからです。ぜひ、問題行動をやめて、きちんとやっるために何が必要か、どのような解決方法がとれるか考えて報告して下さい。もちろん、あなたは、今の態度を続けることもできます。そうであれば、その理由を私が納得できるように説明して下さい。このまま、態度を改めなければ、私は上司としてこれ以上あなたをこのままにしておくことはできないと思います。そして、問題を解決するために、もし私の助けが必要なら喜んで協力します。後、一週間(必要な期間)あなたに時間を与えます。よい報告を期待しています。」

といような対応をします。これなら部下は自分で問題に直面せざるを得ないことになります。それは、部下の能力をオーケーとみなしていることにもなります。一番いけないのは、自分も相手も値引きしたまま、お互いに嫌な気分を抱き続けていることだと思います。このやり方なら、少なくともどこかで、嫌な気分と「さよなら」できるのではないでしょうか。
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自分を大切にすること

今月は、とても研修が多くいろいろな方々とふれあえる毎日です。研修を行っていてもっとも楽しいことは、ご参加者が自分自身についての気づきを得て、新しい選択をされることです。それは、自分が本当は何をしたいのかが分かる瞬間でもあります。

今月行った研修で、私にとってもとてもうれしく思えた例は、「自分を大切しよう」と思われた方の体験です。その方は、自分以外の方を大切にするあまりいつのまにかご自分を大切にすることが少なくなっていたのだと思います。「相手を大切にする」ことも必要ですが、誰でもそれを完璧にすることはもともと無理ですから、完璧にしようとすれば、自分を後回しにする以外ありません。

自分も相手も大事にすることができれば、お互いが自然でいられます。それ以上は、できることではありませんし、これができなくて人は悩んでさえいます。「相手を大事にしなくてはいけない」と考えていて苦しむことがあるときは、今自分自身をどれくらい大切にしているかを考えてみることも必要なのだと思います。

「自分を大切にしよう」と気づかれたら、今までとはまったく異なる対人関係になります。後日、どのような対人関係になったかを、いつか聞かせていただくのがとても楽しみです。
対人関係 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

厳しい上司への対応

ある研修会で、上司が怖いという若い社員からどう対応すればいいかという質問をいただきました。上司の口癖は、「気合が足りない」だそうですが、このような上司は少なくなったものの、いなくなったわけではないので、下で働く部下はさぞかし辛いだろうと思います。

NLPには、「意味の地図」というテクニックがありますが、しばしば使うのはあまり効果的ではありませんから工夫が求められます。TAとNLPを組み合わせた方法を、一緒に考えてみました。上司(課長)の口癖は、「こんなことで、仕事をしていると思っているのか?」です。確かにその課長は、仕事のできる人なのです。そのため、会社の中での力も強いのです。

まず、その仕事ができるところに焦点を合わせた反応をしてみます。「課長は、いつも素晴らしい仕事をされます。」などと言ってみるのです。そして、「だから、私の仕事のやり方では、ご不満なのは当然だと思います。」と続けます。このようにすると、上司は、部下が自分を理解していると思う可能性ができます。

いつもと少し違うようだったら、「いい仕事だと認めてもらえるようにするには、これからどうすればいいか、教えて下さい。アドバイスいただいて、いい仕事ができるように学んでいきたいので、よろしくお願いします。」とお願いするのです。

いつものように、まるで嵐の過ぎるのを待つようにひたすら怒られる続けるよりは、いいのではないでしょうか?その青年は、「やってみるかな?・・・」と言っていましたが、どうなるかはまたの機会に。
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